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ニュースリリース
2020.03.06

ウェアラブルで暑熱環境のリスクを可視化する新技術を開発~心拍情報で深部体温上昇変化を捉える~

ミツフジ株式会社(本社:京都府精華町、代表取締役社長:三寺 歩)と前田建設工業株式会社(本店:東京都千代田区、代表取締役社長:前田 操治)は、学校法人産業医科大学(学長:東 敏昭、以下、産業医科大)との共同研究により開発された心拍情報から深部体温上昇変化の推定ができるアルゴリズムを使用し、スマートウェアから取得した心拍情報に基づき、暑熱環境下でのリスクを可視化するアプリケーションを開発しました。

日常的に深部体温を測定することは困難といわれています。共同研究では気温35℃、湿度50%の暑熱環境を再現した産業医科大の人工気候室において、被験者に一定運動負荷を与えた状況で、実際の深部体温のほか心拍情報など様々な生体情報を連続して取得しました。この情報を解析する中で、心拍情報と深部体温に存在する関係性を見出し、心拍情報から深部体温の上昇を推測する事に成功しました。

暑熱ストレスが問題視される近年では予防と対策へのニーズが高まり、高温多湿の過酷な環境下で働く従業員の見守りやスポーツ中の暑熱対策が重要な社会課題となっています。

当アプリケーションの開発によりスマートウェアだけではなく、様々なウェアラブル機器から心拍情報をセンシングし、スマートフォンなどで体の状態を可視化することにより、自分の体調を把握することや、更なる安全な職場作り、スポーツ環境の構築などが可能となります。

今回の発表に際して、学校法人産業医科大学の東敏昭学長より、次の通りコメントを頂いております。

<学校法人産業医科大学 東 敏昭学長コメント>

現在、運動負荷の評価、健康管理や見守りのためのツールとして、多様なウェアラブル機器の開発が進んでいます。働く人の健康を守る研究、人材育成を目的とした産業医科大学では、温熱負荷、作業負荷による熱中症発症のリスクを評価し、防止につなげる研究の一端として、着衣自体が心電図センサーとなり、情報処理を加えて深部体温を推測する実証実験研究に参画しました。実用可能なデータサイエンス総合システムとして有用性が示され、今後は、他の外部環境要因、人体情報、ならびに個人特性を組み込んだシステムとして、作業現場だけでなく、生活環境での活用に道を開く、着る「見守り」技術になるものと考えます。