「スマートウェアで何ができるのか」「普通のウェアラブル端末と何が違うのか」と疑問に思っていませんか。
健康管理や熱中症対策に役立つデバイスを探していても、種類が多くてどれを選べばよいか迷ってしまう方もいるでしょう。
スマートウェアなら「着るだけ」でバイタルサインをストレスなく計測でき、効果的な健康・安全管理が可能です。
本記事では、スマートウェアの仕組みから具体的な活用シーン、失敗しない選び方まで解説します。
労働現場における健康管理や安全対策のためにスマートウェアの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
スマートウェアとは?ファッションとテクノロジーの融合
スマートウェアとは、導電性繊維などの電気を通す特殊素材を使い、着るだけで生体データを収集できる新しい衣類のことです。
スマートウェアは、テクノロジーと繊維のかけ合わせにより生まれた、ファッションの快適性と最先端のセンシング技術が融合した次世代のアイテムとして注目を集めています。
一般の繊維素材では得られない測定機能を備えており、スマートテキスタイルとも呼ばれます。
スマートウェアとウェアラブルデバイスと違い
ウェアラブルデバイスとは、心拍数や歩数などの生体データを収集し健康管理をサポートするために身につける電子機器の総称です。
主に、スマートウォッチのような時計型やバンド型、メガネ型などが一般的です。
| スマートウェア | ウェアラブルデバイス | |
|---|---|---|
| 装着方法 | 衣服として着用 | 手首・指・頭部などに追加で装着 |
| 装着のストレス | デバイスによっては違和感や締め付け感あり | 少ない |
| 長時間計測 | ・アンダーウェア型やパジャマ型なら就寝時でも違和感が少ない ・タイトなスポーツ用ウェアは窮屈さを感じる場合がある | ・手首に追加装着するタイプ(スマートウォッチ)は睡眠時などに外す人が多い ・リングタイプなら、睡眠時の不快感が少ない |
| データ精度 | ・装着状況により変動あり ・心臓部に密着するため睡眠時にはノイズが少ない | 装着状況により変動あり |
スマートウェアでできること【4つの活用シーン】
現在、日常生活における手軽な健康管理の手段として主流になっているのは、スマートウォッチやリングタイプのデバイスです。
そのため、センサーを肌に直接密着させてノイズのない精緻な生体データを取得できるスマートウェアは、高度な研究開発(R&D)や臨床現場など、より専門的な領域をメインに活用されています。
ここでは、代表的な4つの活用シーンを解説するので、ぜひ参考にしてください。
1.精度の高いバイタルサイン計測ができる
スマートウェアを着用することで、精度の高いバイタルサイン計測がリアルタイムで可能になります。
導電性繊維などの電気を通す特殊な素材を生地に組み込んでおり、センサーが体の表面にしっかりと密着するため、ノイズの少ない正確な生体信号を読み取れるからです。
具体的には、着るだけで以下のようなバイタルサインを計測できます。
- 心拍数
- 心電図
- 呼吸
- 体温
収集されたデータは、小型の送信機(トランスミッター)を介して無線でスマートフォンなどに送られ、専用アプリを通じて自身の状態や解析結果を簡単に確認できます。
2.スポーツやトレーニングを効率化できる
スマートウェアを活用することで、スポーツやトレーニングの効率化が可能です。
運動時の生体データや体の動きを可視化し、客観的な数値に基づいた自己評価や改善ができるためです。
例えば、運動時の心拍数や呼吸数、カロリー消費量を測定することで、自分の運動強度が適切かどうかをチェックし、効率的なトレーニングの組み立てに役立てられます。
また、関節角度などの動作解析を利用すれば、ランニングやバッティングといった運動フォームの改善にもつながります。
トップアスリートはもちろん、スマートウェアは健康のために運動を始める方にとっても、トレーニングの質を高める方法の一つです。
3.日常の健康管理の質を向上できる
スマートウェアは、日常的な健康管理や精緻なバイタルデータを継続的に蓄積するツールとして役立ちます。
健康維持において大切なのは一般的な平均値ではなく、長期のモニタリングによって蓄積される個人の基準データ」です。
長期間にわたり個人のバイタルデータを蓄積すれば、一人ひとりの身体に最適化された健康指標を導き出せるようになりますこれにより、日々の心拍変動から精神的なストレスを客観的に把握したり、体調変化の兆候をいち早く捉えたりすることが可能です。
ただし、正確な心拍波形を計測するためには、センサーを肌に密着させる適度な圧着が必要です。
昨今流行しているリカバリーウェアとは異なり、身体にフィットする設計のため、就寝時に着用すると窮屈さや違和感を覚える人も多く、基本的には睡眠時の計測には向いていません。
4.労働現場での熱中症予防と見守りにつながる
スマートウェアは、建設現場や工場など過酷な暑熱環境で働く作業員の熱中症予防や安全管理に有効です。
具体的には、着用するだけで生体データをリアルタイムにモニタリングし、心拍数などから深部体温を推定して客観的に熱中症リスクを評価します。
また、異常検知時は、本人や管理者のスマートフォン等にアラートが通知される仕組みです。
作業に集中して本人が体調悪化に気付かない場合でも、客観的なデータに基づき管理者が適切なタイミングで休憩や水分補給を促せるため、労働災害の未然防止につながります。
関連記事:製造業(工場)の熱中症対策13選|義務化による暑さ対策方法を事例付きで解説
スマートウェアの市場動向と将来性
スマートウェアは、IoT技術やAIの進化により、単なるスポーツ用品を超えて社会課題を解決するツールとして市場を拡大しています。
以下で、スマートウェアの市場動向と将来性を見ていきましょう。
予防医療・ヘルスケア分野での市場拡大
高齢化社会におけるサステナブルな社会の実現に向け、ヘルスケア分野での市場が大きく成長しています。
スマートウェアに求められる主な役割として代表的なのが、以下の3分野です。
| 分野 | 求められる役割 |
|---|---|
| 予防医療 | ・正確なバイタル情報のモニタリングによる疾病の早期発見(二次予防) ・リハビリを自律的に行うための支援(三次予防) |
| 見守り | ・建築・製造現場などの過酷な労働現場における作業員の体調管理 ・高齢者の見守り |
| QoL(生活の質) | ・高齢者の尿失禁の検知 ・女性の経血量計測 |
これらを通じて、健康寿命の延伸や労働人口減少などの課題解決手段として期待が高まっています。
異業種連携による技術進化
スマートウェアの技術進化と普及は、アパレル業界とIT・電子部品メーカーなど、異業種間の協業によって牽引されています。
衣服としての柔軟性や快適性を損なわず、同時に過酷な洗濯などの環境にも耐えうる高度な電子デバイスを実装するには、各業界が持つ専門知識の融合が不可欠だからです。
ミツフジでも、過去にワコールと共創した働く女性向けのブラジャー型IoT「iBRA」や、キムラタンと連携した園児向け見守りソリューション「cocolin」のように、服飾デザインとテクノロジーを融合させた製品を生み出してきました。
防水性・耐久性を備えた部品の開発や、技術と服飾デザインの融合により、デバイス特有の違和感が解消され、日常のファッションや生活に自然に溶け込むスマートウェアの開発が進んでいます。
スマートウェアの選び方のポイント
スマートウェアの導入効果を最大限に高めるためには、利用目的に適した製品を選ぶことが重要です。
具体的には、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
どのような目的で利用するか
スマートウェアを導入する際は、利用目的に合ったものを選ぶ必要があります。
活用シーンによって、求められる機能やデザイン、システム連携の有無などが異なるためです。
例えば、スポーツ用であればダイナミックな動きに耐える着圧設計や、通気性を重視したメッシュ構造のウェアが適しています。
一方、労働現場で使用する場合は、熱中症リスクのアラート機能が備わっているか、複数人のデータを管理者が一括で把握できるIoTシステムに対応しているかどうかが選定ポイントになります。
まずは利用目的を明確にし、活用シーンに適した機能を搭載した製品を選びましょう。
体型にフィットする設計のものか
スマートウェアは体型にぴったりとフィットするジャストサイズの製品を選ぶことが大切です。
センサー(電極)が心臓部などの肌にしっかりと密着していないと、計測誤差が生じやすくなるためです。
また、男性と女性では体型が異なるだけでなく、心拍の取りやすさにも違いがあります。
そのため、男女別に専用設計されたモデルを選びましょう。
快適な着心地と高い計測精度のバランスを保つためにも、スマートウェアが体型に合った設計のものかどうか必ず確認してください。
簡単にお手入れできるか
日常的に身につけるスマートウェアは、手軽にお手入れできるかも大切なポイントです。
着用後に汗や水分を放置すると、菌が増殖してニオイの原因になったり、ポリウレタンなどの素材が劣化したり、布が傷む原因になるため注意が必要です。
スマートウェアは、以下のようなポイントを押さえてお手入れする必要があります。
- 洗濯機で洗う前に必ず計測デバイス(トランスミッター)を取り外す
- 洗濯ネットに入れて弱水流(おしゃれ着コースなど)で洗う
- 乾燥機やドライクリーニングの使用を避ける
- 紫外線による変色を防ぐために陰干しをする
スマートウェアを長く使い続けるためにも、正しいお手入れを無理なく日常的に続けられる製品を選びましょう。
現場でのバイタルデータ管理には着るウェアラブル「hamon」がおすすめ
ミツフジの繊維技術とIoT技術を融合させた「hamon」は、精度の高いバイタルデータ管理を必要とする建設・製造現場など、あらゆる労働環境での活用に適しています。
銀めっき繊維をセンサーとしてウェアに編み込んでおり、普段着と変わらない着心地でありながら心拍波形などの精緻な生体データの取得が可能です。
取得したデータは心拍変動解析をベースにした独自アルゴリズムにより、猛暑リスクやストレス、コンディションといった体調の変化をリアルタイムに可視化します。
精度の高いバイタルデータ管理が求められる建設現場や製造現場など、あらゆる過酷な労働環境での利用に適しており、遠隔で作業員を見守ることが可能です。
ミツフジの実績ページでは、「hamon」の導入事例を紹介しています。
内部リンク:https://www.mitsufuji.co.jp/works/
スマートウェアでできることを理解して生活の質を高めよう
スマートウェアは、ファッションの快適性と最先端のテクノロジーが融合した次世代のデバイスです。
着るだけで心拍数や体温などのバイタルサインを精度良く計測でき、日常の健康管理や労働現場での熱中症予防など、幅広いシーンで人びとの生活をサポートしてくれます。
スマートウェアを導入する際は、利用目的に合った機能や体型にフィットするサイズなどを基準に選ぶことがポイントです。
スマートウェアを活用して一人ひとりの健康状態を可視化し、生活の質や作業環境の安全性を高めましょう。
スマートウェアに関するよくある質問
ここでは、スマートウェアに関するよくある質問と回答をまとめました。
スマートウェアは毎日洗濯しても壊れませんか?
計測デバイス(トランスミッター)を必ず取り外せば、一般的な洗濯機で洗えます。
洗濯への耐久性を高める技術開発は日々進んでおり、200回の洗濯テストをクリアして耐久性が確認されている製品もあります。
また、衣服ごと洗濯しても壊れないスマートテキスタイル専用の防水コネクタの開発など、技術の進歩も顕著です。
適切な手順を守れば、毎日洗濯しても壊れることなく使用し続けられます。
どのくらいの期間データを計測し続けるとよいですか?
具体的な日数の指定はありませんが、できるだけ長期間にわたって毎日計測し続けましょう。
長期間継続して着用することで、一般的な平均値ではなく、個人の基準となるデータが蓄積されるためです。
ミツフジのスマートウェアは主に企業向けに提供されており、作業員が日常業務を通じてデータを蓄積することで、わずかな体調変化により正確に気づきやすくなります。
確かな安全管理と健康管理のためには、継続的な着用が推奨されます。





