「健康経営に取り組みたいが、具体的に何をすれば良いかわからない」
「他社はどんな施策を実施しているのか知りたい」
上記のように感じている、人事・総務担当者の方もいるのではないでしょうか。健康経営の推進にあたっては、既に取り組みを成功させている企業の事例を参考にすると効率的です。
本記事では、大企業・中小企業それぞれのユニークな健康経営の取り組み事例を8社分紹介します。自社の規模や課題に近いケースを参考にしていただけるはずです。
取り組みを推進する際の流れや成功のポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
取り組みをデータで測定・改善したいとお考えであれば、生体データをリアルタイムで可視化するミツフジのウェアラブルデバイス「hamon」もご覧ください。
大企業の健康経営のユニークな取り組み事例4選

ここでは、健康経営に積極的な大企業の中から、独自性の高い取り組みを実施している4社の事例を紹介します。自社の施策を検討する際の参考にしてみてください。
また、以下の記事では、健康経営銘柄について詳しく解説しています。健康経営銘柄に選定される方法や企業事例を知りたい方は、参考にしてください。
【内部リンク】健康経営銘柄(5月執筆KW)
1.亀田製菓株式会社
亀田製菓は、以下の3つを健康課題として定め、2023年12月に健康経営推進プロジェクトを立ち上げました。
- 疾病の早期発見・治療
- 転倒労働災害の削減
- メンタル不調者の低減
特徴的なのは、課題に対応した施策の具体性です。食習慣の改善に向けては各拠点に社員食堂を整備し、新潟本社ではスマートミール認証を満たした食事を毎日提供しています。
加齢による筋力低下を起因とした転倒リスクに対しては、従業員向けの転倒予防セミナーを実施しました。メンタルヘルス管理では、プレゼンティーズム測定にも対応したストレスチェックツール「Co-Labo」を導入し、従業員の心の健康状態の可視化を進めています。
参考:亀田製菓株式会社「健康経営」
にいがた経済新聞「亀田製菓(新潟市江南区)が「健康経営優良法人2025」に認定」
製造業における健康リスクへの対応策については、以下のページも参考にしてみてください。

2.味の素株式会社
味の素は「味の素グループで働いていると、自然に健康になる」を目指す姿として、従業員が意識しなくても健康になる環境づくりに取り組んでいます。
社内イントラ上には以下3つのデータを統合した「My Health」を設置し、従業員が自分の健康状態をいつでも確認できる仕組みを構築しました。
- 健康診断
- 就労状況
- 生活習慣
また、自社のアミノ酸研究の知見を活かした「適正糖質セミナー」を実施するなど、食品メーカーとしての専門性を健康経営に直結させている点がユニークです。
参考:味の素株式会社「健康経営」
農林水産省「味の素 株式会社」
3.LINEヤフー株式会社
LINEヤフー(当時ヤフー)が導入した「揚げ物税」は、健康経営施策の中でもとくに話題を集めた取り組みです。
社員食堂の昼食メニューで肉類の揚げ物を100円値上げする一方、焼き魚や煮魚を150円値下げし、脂肪エネルギー比の引き下げを目指しました。施策導入後、唐揚げの喫食数は1日約500食から150〜200食に激減し、魚メニューは約150食から400〜500食に増加しています。
価格設計を通じて従業員の食行動を自然に変えるナッジ的アプローチとして、他業種からも注目されています。
4.コニカミノルタ株式会社
コニカミノルタは2021年度より「フェムテック」を試験導入し、月経・更年期に特化した健康プログラムを展開しています。「フェムテック」は、女性の健康課題をテクノロジーで解決するサービス・プロダクトの総称です。
導入により、月経プログラムでは導入前後で業務パフォーマンスが23.5ポイント改善しています。また、更年期プログラムでも不調が仕事に影響する日数が月3.6日減少しました。
男性従業員にも参加を促す「女性のカラダ知識講座」を開催するなど、女性の健康課題を組織全体の課題として捉え直している姿勢が特徴的です。
中小企業の健康経営のユニークな取り組み事例4選

大企業に比べてリソースが限られる中小企業でも、自社の規模や課題に合わせた独自の健康経営を実践している企業があります。取り入れやすいアイデアも多いので、参考にしてみてください。
1.株式会社ケィテック
名古屋市の技術開発企業である株式会社ケィテックは、「みんな元気活動」と名づけた独自のポイント制度を健康経営の核に据えています。以下のような合計10項目の健康習慣を半年ごとに自己申告し、獲得ポイントに応じてギフトカードを進呈する仕組みです。
- 1日3食の摂取
- 睡眠時間
- ウォーキング
- 有給休暇取得
- BMI管理 など
ウォーキングはアプリで歩数を可視化し、社員間でランキングを競えるようにし、ゲーム感覚で継続できる工夫が施されています。健康診断でAランクを獲得した社員には「健康バッジ」と贈呈証を授与するなど、健康を称える文化づくりにも力を入れています。
2.株式会社アロー
理学療法士の国家資格を持つスタッフが全員在籍するリハビリテーション・介護事業者の株式会社アローは、専門性を活かした独創的な施策が際立っています。
中でもユニークなのが、「スクリーンタイムチャレンジ」です。深夜0時から午前5時の間にスマホを使用しなければポイントを獲得でき、達成した社員にはインセンティブを付与しています。
また「朝食マップ」では1か月間を朝食強化月間とし、地域の対象飲食店での朝食に半額キャッシュバックし、食習慣の改善と地域との交流を促しています。取り組みの効果も数値で追っており、2024年度は「睡眠に満足している」と回答した社員の割合が年度初めの28.5%から42.8%へ上昇しました。
3.株式会社トヨタ名古屋教育センター
自動車教習所を運営する株式会社トヨタ名古屋教育センターは、7年連続で健康経営優良法人に認定されており、施策の幅広さが特徴です。
なかでも注目されるのが、ネスレの協賛によるスマートウォッチとサプリメントを組み合わせた睡眠改善プログラムです。データ計測と栄養補給の両面から社員の睡眠の質向上を支援しています。
また、禁煙研修や喫煙者への治療支援を継続的に実施した結果、社内喫煙率は30%から17%へ大幅に低下しました。男性育児休業取得率は100%で、過去5年間の平均取得日数は111日に達しており、健康経営とワークライフバランスの両立を高い水準で実現しています。
参考:株式会社トヨタ名古屋教育センター「働く社員への取り組み Sustainability」
4.ネッツトヨタ山陽株式会社
岡山県のトヨタ系自動車ディーラーであるネッツトヨタ山陽株式会社は、創業以来全社員でラジオ体操を続ける継続性の高さが特徴的です。
全店舗で毎月、活動量計と体組成計を使った健康チェックを実施しており、体脂肪率・筋肉量・BMIなど30項目を30秒で測定しています。また、社員の歩数を個人別・職場別にランキング化して毎月「けんこうプログラムニュース」で全社に告知し、社員の健康意識を日常的に高め続けています。
こうした取り組みが評価され、2018年には岡山県の「おかやま健康づくりアワード」を受賞、2026年には8回連続で健康経営優良法人に認定されました。
参考:ネッツトヨタ山陽株式会社「健康経営に取り組んでいます。」
企業の「健康経営」の取り組みとは

健康経営とは、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する考え方です。企業が健康経営に取り組む主なメリットは、以下のとおりです。
- 生産性の向上
- 医療費などのコスト削減
- 人材の獲得・定着
- 企業イメージの向上
健康経営優良法人認定事務局の調査では、「従業員の健康や働き方に配慮している企業で働きたい」と回答した就活生・転職者が35.8%にのぼっています。
(出典:健康経営優良法人認定事務局「就活生・転職者に関する調査」)
採用競争力にも、健康経営が大きく影響すると考えなくてはいけません。
健康経営に積極的な企業を評価する制度として、経済産業省は「健康経営銘柄」と「健康経営優良法人認定制度」を設けています。健康経営優良法人2025では、大規模・中小合わせて23,000法人超が認定されました。
(出典:経済産業省「健康経営優良法人認定制度」)
健康経営優良法人に認定されるメリットについては、以下のページもご参照ください。
【内部リンク】健康経営優良法人 メリット(5月執筆KW)
企業が健康経営の取り組みを推進する際の流れ

健康経営を推進する流れは、おおむね、以下のとおりです。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ①実施の宣言 | 経営トップが健康経営への取り組みを社内外に宣言し、推進の意思を示す |
| ②運営体制の構築 | 推進担当者を配置し、産業医・健康保険組合など外部専門家との連携体制を構築する |
| ③自社課題の分析 | 健康診断データやストレスチェック結果をもとに、取り組むべき健康課題を特定する |
| ④計画の立案 | 特定した課題に対して、具体的な施策と数値目標を設定する |
| ⑤取り組みの実施 | 従業員が自発的に参加できる仕組みを意識しながら、施策を推進する |
| ⑥振り返りと改善 | 効果をデータで検証し、PDCAサイクルを回しながら継続的に改善していく |
取り組みが効果を発揮するように、しっかりとした準備と振り返りを徹底しましょう。
企業の健康への取り組みを成功させるポイント

健康経営を推進する上で、取り組みを形式的なものにとどめず実効性のある施策につなげるには、以下の3つのポイントが重要です。
経営課題として位置づける
健康経営を成功させる最大の前提は、経営トップが主体となって健康増進を人事戦略上の重要課題と位置づけることです。
担当者レベルでいくら優れた施策を立案しても、経営層のコミットメントがなければ予算・体制ともに不十分なまま形骸化しやすくなります。社長メッセージや健康宣言として社内外に発信し、健康経営を経営の核に据える姿勢を示せれば、組織全体の意識変容につながります。
従業員が参加したくなる仕組みを作る
どれほど充実した施策を用意しても、従業員が自発的に参加しなければ効果は限定的です。積極的な参加を促すためには、ハードルを下げる工夫が欠かせません。たとえば、健康行動をポイント化してインセンティブを付与する、アプリで歩数や健康習慣を可視化してゲーム感覚で継続できるようにするなどが考えられます。
また、施策の企画段階から現場の声を取り入れることで、当事者意識を持って取り組める環境が生まれやすいといえます。
データで効果を測定する
健康経営の取り組みを継続的に改善するには、施策の効果をデータで客観的に把握する姿勢が不可欠です。健康診断の結果やストレスチェックのスコア、プレゼンティーズムの数値などを定期的に計測・分析し、PDCAサイクルを回すことで取り組みの精度が高まります。
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まとめ

今回は、大企業・中小企業合わせて8社の健康経営のユニークな取り組み事例を紹介しました。
健康経営を成功させる上で重要なのは、以下の3点です。
- 経営課題として位置づける
- 従業員が自発的に参加できる仕組みを作る
- データで効果を継続的に測定する
どの企業の事例も、この3つのポイントを押さえ上で独自の工夫を加えているといえます。まずは自社の規模や課題に近い事例を参考にしつつ、取り入れられる施策から手してみてください。
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全部で4つのモデルが展開されているため、ぜひ自社に合うモデルをお試しください。





