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従業員満足度とは?調査方法・質問例・エンゲージメントとの違いを解説

2026/10/07

従業員満足度とは?調査方法・質問例・エンゲージメントとの違いを解説
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「従業員満足度を上げたいが、何から手を付ければよいのかわからない」

「満足度調査をしてみたいが、質問項目や進め方がわからない」

このような疑問をお持ちの方もいるでしょう。

従業員満足度(ES)とは、従業員が自社での仕事や職場環境をどう評価しているかを表す考え方です。厚生労働省の白書でも、仕事への評価として生じる「職務満足感」が、ワーク・エンゲイジメントとは別の概念として整理されています。

本記事では、エンゲージメントとの違い、満足度を左右する要素、調査の進め方と質問例、満足度を上げる取り組みまでを解説します。ぜひ参考にしてみてください。

目次

従業員満足度(ES)とは?意味と重視される理由

従業員満足度(ES)とは?意味と重視される理由

従業員満足度は、働く人が仕事や職場に感じている満足の度合いです。まずは言葉の意味と、顧客満足度との関係を押さえましょう。

従業員満足度の基本
  • 従業員満足度(ES)の意味
  • 顧客満足度(CS)との関係
  • 従業員満足度が低いと起こりやすいこと

従業員満足度(ES)の意味

ESはEmployee Satisfactionの略です。仕事内容、評価や処遇、人間関係、職場環境などに対する従業員本人の評価を指します。

厚生労働省「令和元年版 労働経済の分析」では、職務満足感の定義として次の説明が紹介されています。

「自分の仕事を評価してみた結果として生じる、ポジティブな情動状態(Locke(1976)による定義)」

つまり、ESは「仕事や会社をどう評価しているか」という従業員側の受け止め方です。売上や離職率のような結果の数値とは別に、本人に尋ねて把握します。

顧客満足度(CS)との関係

ESは、CS(Customer Satisfaction:顧客満足度)と対で語られることの多い言葉です。従業員の働きぶりが、顧客対応を通じてCSにつながるという考え方が背景にあります。

ただし、ESを上げれば必ずCSが上がるという単純な関係ではありません。両者は別々に測り、それぞれの課題を確認することが大切です。

従業員満足度が低いと起こりやすいこと

ESが低い状態を放置すると、職場にはさまざまな影響が出るおそれがあります。代表的なリスクは次のとおりです。

従業員満足度が低いときの主なリスク
  • 定着の面:不満の理由が把握されないまま、退職の検討につながるおそれがある
  • 情報共有の面:改善提案や相談が上がりにくくなり、職場の課題が見えにくくなる
  • 安全の面:現場では、体調不良や危険の報告をためらう雰囲気がリスクになり得る

いずれも、数値だけでは原因がわかりません。調査で不満の理由まで聞き取ることが、改善の出発点になります。

従業員満足度とエンゲージメントの違い

従業員満足度とエンゲージメントの違い

ESとよく比較される言葉が「エンゲージメント」です。測っているものが違うため、目的に合わせて使い分けましょう。

満足度とエンゲージメントの比較ポイント
  • ワーク・エンゲイジメントとの違い
  • 従業員エンゲージメントとの違い

ワーク・エンゲイジメントとの違い

厚生労働省「令和元年版 労働経済の分析」では、ワーク・エンゲイジメントを次のように説明しています。

「仕事に関連するポジティブで充実した心理状態として、『仕事から活力を得ていきいきとしている』(活力)、『仕事に誇りとやりがいを感じている』(熱意)、『仕事に熱心に取り組んでいる』(没頭)の3つが揃った状態」

同資料では、ワーク・エンゲイジメントは仕事を「している時」の感情や認知を指すと説明されています。一方、職務満足感は仕事「そのものに対する」感情や認知を指す点で異なると整理されています。

従業員エンゲージメントとの違い

従業員エンゲージメントは、組織への共感や信頼、貢献したいという意欲を中心に捉える言葉です。調査サービスや研究によって定義に幅があります。

そのため、エンゲージメント調査を導入する際は、どの定義で何を測る調査なのかを確認しましょう。3つの概念の違いは、次の表のとおりです。

概念主に捉えるもの質問のイメージ
従業員満足度(ES)仕事・処遇・職場への評価今の評価制度に納得している
ワーク・エンゲイジメント仕事中の活力・熱意・没頭仕事に熱心に取り組めている
従業員エンゲージメント組織への共感・貢献意欲この会社に貢献したいと思う

※質問のイメージは本記事で作成した例です。

なお、健康問題による仕事の出来を見る「プレゼンティーイズム」や、法定の「ストレスチェック」も、ESとは目的の違う指標です。ESの代わりにはならないため、別の仕組みとして運用します。

従業員満足度を左右する主な要素

従業員満足度を左右する主な要素

ESは1つの数値で決まるものではなく、いくつかの要素への評価の積み重ねです。本記事では、調査と改善で扱いやすい5つの要素に整理して紹介します。

従業員満足度を左右する要素の整理
  • 5つの要素の全体像
  • 要素ごとに満足度を見る理由

5つの要素の全体像

ESを構成する要素は、次の5つに分けると整理しやすくなります。要素の分け方に決まった基準はなく、自社の課題に合わせて調整してかまいません。

要素主な中身確認したい状況の例
仕事内容・裁量やりがい、任される範囲、成長の機会指示待ちが増える、提案が出ない
評価・処遇評価の基準、給与、昇進の納得感評価面談後に不満の声が出る
上司・人間関係上司の支援、同僚との協力、相談のしやすさ相談や報告が特定の人に偏る
働き方・労働時間業務量、残業、休みの取りやすさ残業や休日出勤が一部に集中する
職場環境・安全設備、暑さ寒さ、作業の安全、体調への配慮危険や体調不良の報告が少ない

※要素の分類と状況の例は、本記事で整理したものです。

要素ごとに満足度を見る理由

総合的な満足度が同じでも、不満の中身は職場によって異なります。給与には満足していても、上司に相談しにくいことが不満の中心という職場もあるでしょう。

職場条件と動機づけを分けて考える「二要因論」のような説明の枠組みもあります。ただし、要素ごとに分けて聞き、どこに不満があるかを特定することが実務では重要です。

従業員満足度調査の進め方と質問例

従業員満足度調査の進め方と質問例

従業員満足度調査は、「何を改善するために測るのか」を決めるところから始めます。進め方を5つのステップに分けて見ていきましょう。

従業員満足度調査の5ステップ
  1. 調査の目的を決める
  2. 質問項目を作る
  3. 匿名か記名かを決めて実施する
  4. 結果を分析する
  5. 結果と改善策を従業員に返す

調査の目的を決める

最初に、調査結果を何に使うのかを決めます。「評価制度への納得感を確かめたい」「現場の業務負荷を把握したい」など、目的が具体的なほど設問を絞り込めます。

あわせて、年1回程度の詳しい調査と、少ない設問で短い間隔で実施する「パルス調査」のどちらを使うかも決めておきましょう。両者は設問数と実施頻度が異なり、同じ課題を継続して追うために併用する方法もあります。

質問項目を作る

設問は、総合的な満足度を聞く質問、要素別の質問、自由記述の3つで構成すると結果を読み解きやすくなります。要素別の質問例は次のとおりです。

要素質問例(5段階で回答)
仕事内容・裁量仕事の進め方について、自分の判断に任されている
評価・処遇現在の評価結果に納得している
上司・人間関係困ったときに上司へ相談しやすい
働き方・労働時間現在の仕事量は、勤務時間内に対応できる量だと思う
職場環境・安全作業中に体調の不安があれば、すぐ伝えられる

※質問例は本記事で作成したものです。

1つの質問に複数の論点を詰め込まないよう注意しましょう。「給与と評価に満足している」のような質問は、どちらへの回答かがわからなくなります。

指標の一つとして「eNPS(従業員推奨度)」を使う方法もあります。「この職場を親しい人に勧めたいか」を0〜10点で聞く質問です。

eNPSの計算方法
  • eNPS = 9〜10点と答えた人の割合 − 0〜6点と答えた人の割合
  • 7〜8点の回答は、どちらにも数えない

eNPSは、顧客向けNPS(Net Promoter Score)の区分・計算方法を、職場としての推奨意向に応用した指標です(Employee NPS)。ただし、eNPSは推奨したいかどうかを示す数値で、ESそのものではありません。点数の理由を聞く質問を組み合わせましょう。

匿名か記名かを決めて実施する

調査の方式には、匿名と記名の2つがあります。それぞれの特徴は次のとおりです。

方式主な利点注意点
匿名率直な回答を得やすい部署や年代を細かく掛け合わせると、個人が特定されるおそれがある
記名回答をもとに本人への支援につなげやすい回答内容への警戒から、本音が出にくくなることがある

どちらの方式でも、目的、結果を見る人、保存期間、結果の返し方を事前に説明します。回答時間は事前に数人で試し、負担になりすぎない設問数に調整しましょう。

結果を分析する

分析では、全体の平均だけでなく、部署や職種ごとの差を確認します。人数の少ない集団は、個人が特定されないよう非表示にするか、近い集団と統合して集計しましょう。

要素別の満足度と総合満足度の関係を見て、改善の優先順位を決める方法もあります。ただし、数値の関連は因果関係を示すものではありません。自由記述の内容や、安全・法令面の優先度もあわせて判断します。

結果と改善策を従業員に返す

調査後は、結果の概要と、それを受けて取り組む改善策を従業員に共有します。回答しても何も変わらないと感じると、次回以降の回答率や率直さに影響するおそれがあるためです。

改善策には、次回の調査時期もあわせて示しましょう。前回と比べるときは、同じ設問・同じ回答形式・できるだけ同じ対象で実施します。

健康経営優良法人の認定を目指す場合

健康経営優良法人2027(大規模法人部門)の認定要件では、「健康経営の実施についての効果検証」が必須項目とされています。

ただし、従業員満足度調査の実施そのものを必須とする項目ではありません。効果検証の方法の一つとして活用できるか、要件と照らして検討しましょう。

出典:健康経営優良法人2027(大規模法人部門)認定要件|健康経営優良法人認定事務局

認定制度の概要は次の記事で解説しています。2027年認定の要件は、上記の公式資料をご確認ください。

従業員満足度を上げる取り組み

従業員満足度を上げる取り組み

満足度を上げる取り組みは、調査で不満が大きかった要素から優先して選びます。5つの要素ごとに、検討しやすい取り組みを紹介します。

従業員満足度を上げる要素別の取り組み
  • 仕事内容・裁量を見直す
  • 評価・処遇の納得感を高める
  • 上司の支援と人間関係を整える
  • 労働時間と働き方を見直す
  • 職場環境と安全・健康への配慮を整える

仕事内容・裁量を見直す

仕事の意味が見えにくい、任される範囲が狭いといった不満には、役割と期待を言葉にして伝える取り組みが有効な打ち手の一つです。

仕事内容・裁量に関する取り組み例
  • 担当業務が会社や顧客にどうつながるかを説明する
  • 進め方を任せる範囲を、本人と相談して決める
  • 研修や資格取得など、成長の機会を案内する

評価・処遇の納得感を高める

評価への不満は、結果そのものより「なぜその評価なのか」がわからないことから生じる場合もあります。基準と理由を伝える仕組みを点検しましょう。

評価・処遇に関する取り組み例
  • 評価の基準と、各段階で求める行動を公開する
  • 評価面談で、評価の理由と次の目標を具体的に伝える
  • 給与や手当の決まり方を、わかる範囲で説明する

上司の支援と人間関係を整える

相談のしやすさは、上司との日常的なやり取りに左右されます。定期的に話す場を設けることが、課題の早期把握にもつながります。

上司の支援・人間関係に関する取り組み例
  • 上司と部下が1対1で話す時間を定期的に設ける
  • 管理職向けに、話の聞き方やフィードバックの研修を行う
  • 部署を越えて相談できる窓口を用意する

労働時間と働き方を見直す

業務量や残業への不満は、特定の人や部署に負荷が偏っていないかの確認から始めます。勤怠データと調査結果を照らし合わせると、偏りを見つけやすくなります。

労働時間・働き方に関する取り組み例
  • 残業や休日出勤が集中している部署・個人を確認する
  • 業務の割り振りや手順を見直し、負荷を分散する
  • 休暇の計画的な取得を職場全体で後押しする

職場環境と安全・健康への配慮を整える

建設や製造などの現場では、暑さや作業の危険が働きやすさに大きく関わる要素です。設備の改善とあわせて、体調の不安を言い出しやすい仕組みを整えましょう。

職場環境・安全・健康に関する取り組み例
  • 休憩所や空調などの設備を点検し、改善の要望を集める
  • 体調不良やヒヤリとした出来事を報告しやすい手順を決める
  • 健康診断後のフォローや、健康施策を案内する

健康施策の具体例は、次の記事も参考になります。

どの取り組みも、実施後に同じ設問で再調査し、変化を確認することが大切です。結果が変わらなければ、原因の見立てや打ち手を見直します。

現場の体調把握と従業員満足度調査の併用

現場の体調把握と従業員満足度調査の併用

暑熱環境で働く現場では、体調面の安全も職場環境の重要な要素です。アンケートとウェアラブル端末は得られる情報が違うため、役割を分けて組み合わせましょう。

体調把握と満足度調査を併用するポイント
  • アンケートとウェアラブル端末の役割の違い
  • 健康に関する情報を扱うときの注意点
  • hamon band シリーズで猛暑リスクを可視化

アンケートとウェアラブル端末の役割の違い

ES調査でわかるのは、従業員が職場をどう評価しているかです。一方、ウェアラブル端末は、製品に応じて猛暑リスクなどを把握する参考情報として使われます。

情報の種類わかること単独ではわからないこと
ES調査(アンケート)職場への評価、不満の理由作業中の体調の変化
ウェアラブル端末製品に応じた猛暑リスクなどの参考情報満足度、職場への評価や不満の理由

※ウェアラブル端末で把握できる内容は製品によって異なります。

暑さ対策を進めた後に、その対策を従業員がどう受け止めているかは、ES調査の設問で別途確認します。2つを組み合わせることで、安全と働きやすさの課題を多面的に検討しやすくなります。

健康に関する情報を扱うときの注意点

従業員の心身の状態に関する情報は、取り扱いに配慮が必要です。厚生労働省は、事業場ごとに取扱規程を定めるための手引きを公表しています。

同手引きでは、情報の取扱いに同意しないことを理由とした不利益な取扱いは、あってはならないとされています。利用目的、閲覧できる人、保存と削除の方法を、社内のルールとして具体的に決めておきましょう。

出典:事業場における労働者の健康情報等の取扱規程を策定するための手引き|厚生労働省

hamon band シリーズで猛暑リスクを可視化

弊社ミツフジ株式会社の「hamon band シリーズ」は、銀めっき繊維「AGposs®」の生体データを取得できる技術を応用した、リストバンド型ならびにスマートウォッチ型のデバイスです。難しい操作は不要で、巻くだけで猛暑リスクや体調変化などを可視化します。

中核となるのは、産業医科大学・前田建設工業との共同研究で開発されたアルゴリズムです。深部体温の上昇・下降の変化を推定し、リスクが高まるとアラートで知らせます。

スクロールできます
モデルグレード主な通知方法特徴
hamon band SエントリーLED・音・振動スマホ・ネット不要。着用者本人への通知
hamon band VスタンダードSの機能+時計表示アプリ「03Connect」で時刻を同期
hamon band Nアドバンスド画面表示・振動e-SIM/LTE内蔵。管理者が遠隔で一元管理

※仕様の詳細や最新情報は、ミツフジ公式サイトでご確認ください。

通信環境のない現場ではhamon band Sかhamon band V、広域の現場を遠隔で管理したい場合はhamon band Nが選択肢になります。関連するハイエンドモデルとして、hamon band Nの機能を拡張した別製品「MITSUFUJI 03」も提供しています。

hamon band シリーズは医療機器ではなく、休憩や水分補給のきっかけとして活用いただく参考データを提供する製品です。導入によって従業員満足度が上がることを示すものではないため、受け止め方は調査で確認しましょう。

まとめ|従業員満足度は要素別に測って改善につなげよう

まとめ|従業員満足度は要素別に測って改善につなげよう

従業員満足度(ES)は、従業員が仕事や職場をどう評価しているかを表す考え方です。仕事中の心理状態を見るワーク・エンゲイジメントや、組織への貢献意欲を見る従業員エンゲージメントとは、測るものが異なります。

調査では、目的を決めたうえで要素別に質問し、結果と改善策を従業員に返すことが大切です。改善の後は同じ設問で再調査し、変化を確かめましょう。

暑熱環境で働く現場では、体調面の安全も働きやすさを左右する要素です。弊社のhamon band シリーズは、猛暑リスクの可視化を通じて現場の安全管理をサポートしています。

▼参考文献

・令和元年版 労働経済の分析 第Ⅱ部第3章|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/19/dl/19-1-2-3_01.pdf

・健康経営優良法人2027(大規模法人部門)認定要件|健康経営優良法人認定事務局
https://kenko-keiei.jp/wp-content/themes/kenko_keiei_cms/files/2027_dai_ninteiyoken.pdf

・Measuring Your Net Promoter Score|Net Promoter System
https://www.netpromotersystem.com/about/measuring-your-net-promoter-score/

・Employee NPS|Net Promoter System
https://www.netpromotersystem.com/about/employee-nps/

・事業場における労働者の健康情報等の取扱規程を策定するための手引き|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/000497426.pdf

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